思春期は、二次性徴の始まりから生殖機能の完成までの期間をさします。

   思春期発来時期は、

      女児  10才くらいから

     男児  11才くらいから  とされています。

 

   この時期を迎えると、男の子は、男の子らしい体つきに

       精巣や陰茎の発達、陰毛、腋毛、鬚の発生、声変わりなど

   女の子は、女の子らしい体つきに

       乳房の発育、初潮など

    身長の伸びも著しく、一年間に8〜10cmも伸びます。身長が急速に伸びるのは、骨の成長が著しく進むためで、

   やがて骨端線が閉じて大人の骨になります。この時期を過ぎると伸び率も低下し、最終身長=成人身長に達します。

   思春期入ってからの身長増加は、男子は平均で25cm、女子は20cm位といわれています。

 

   脳中枢から生殖器にいたるシステムが成熟して起こります。

        

   思春期発来時期は、女児では10才頃、男児では11才頃とのべました。思春期の徴候は、女児の場合には乳房が

   大きくなりはじめるなど、分かりやすいと思います。肥満や過栄養の傾向がある場合には早発乳房といって、

   思春期のホルモン分泌の変化を伴わない乳房腫大を認めることがあり、区別が必要です。

    女児の場合

      乳房の発育とあわせて、乳腺組織をふれるかどうか

       身長が急にのびはじめていないか

    では男児の場合はどうでしょうか。

    思春期徴候が見られると母親の前では隠そうとしますから早期に見つけることは難しくなります。     

      3年生くらいから身長増加がみられる

       喉ほどけ 発毛、陰茎、睾丸の発育

       反抗期的寡黙な態度がみせれる

    男児の場合時々お風呂でお父さんに確認してもらうとよいでしょう。

 思春期発来が早いことでどのような影響があるでしょうか。

   心理面への影響 

     年令不相応に性的興味が強くなったりする。

     他の子供より、早く大人になったことへの羞恥心や不安を抱く

     親の戸惑いや不安

     身体的成熟と心理的未成熟のアンバランス  反抗期の傾向が早まる。

   学校という集団生活での問題

     低学年では月経への対処が学校で上手にでできない 

   身体面での問題

     最終身長がかなり低くなる可能性がある

     先に述べた様に、思春期に入り身長が伸びはじめますが、性ホルモンの骨への作用によって骨端線が閉じて大人の骨になる。

    思春期に入ってからの身長の伸びは、男子は平均で25cm、女子は20cm位とされており、身長が低い若い年令で思春期に

    入ると、最終身長が低くなることがあります。

  

    1. まず思春期徴候を確認します。

    2. 体重、身長の発育の経過から成長曲線を作成します。

    3. 手のレントゲン検査で骨の年令を確認します。

     左手のレントゲン写真をとります。骨は成長ホルモンだけでなく性ホルモンの成熟作用などの

     影響をうけます。Tanner-Whitehouse-2(TW2)に基づいた日本人標準骨年齢を用いて、骨の年齢を求めます。

      思春期が進んでいると骨年齢>暦年齢となります。   ふつうは暦年齢≒骨年齢となります。

    4. 血液検査

      思春期に関わるホルモンや骨の代謝にかかわる項目などを確認します 

    5. 下垂体機能検査 LH-RH負荷試験

        LH-RHを用いて脳下垂体からのLH、FSHの分泌能を経時的にみます。

      分泌パターンが思春期様であるかを確認します。

    6.  画像検査  頭部のMRI検査など

      ケースによっては、MRIなどの検査にて脳腫瘍などをチェックしなければならないこともあります。

  

   これらの診察、検査の結果思春期発来が早すぎると考えられる場合に、思春期を治療により遅らせることがあります。